凪さん、レーシングカーを買う
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凪さんは面白い。
街中で何か欲しいものを見つけると、何事もないような顔をしてスーッとそれに近づき、黙ってその傍らに立つ。
そして、そのものと私たちの顔とを交互に見る。
今日、パリ郊外で開かれた骨董市に行った時もそうだった(今日は保母さんたちのストライキで託児所がお休みで…)。
昔のおもちゃを専門に扱うお店の前で、彼女は1台の赤いレーシングカーにスーッと近づき、黙ってその傍らに立った。
そして、レーシングカーと私たちの顔とを交互に見ては、「私はこれが欲しい」という無言のアピールを続けた。
しかし、そのレーシングカーは見るからに古く、そして色褪せ、車体のあちらこちらが壊れていた。
これと同じようなものなら、新品できれいなものが街中のおもちゃ屋さんにも売っているだろうし、もしかしたら、そっちの方が安いかも知れない(骨董市に並んだ品物は、古くて珍しいぶん、値段も高いので…)。
でも、彼女がこれがいいと言うのなら買ってあげようということになり、僕は代金を払うために店の奥へと入った。
そして店主と値段の交渉をし、小切手を書き始めた時、店先から楽しそうな2人の声が聞こえて来た。
凪さんはレーシングカーの運転席に座り、満足そうな、そして少し得意気な顔をしていた。
また相方(水野)も嬉しそうに、レーシングカーを後ろから押した。 |
3月 13, 2010 at 02:44 午前 | Permalink
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